おてつだいクエスト ブログ

ちゃがちゃがゲームズのタクミです。ゲームマーケット秋2014、ゲームマーケット大阪2015にて「おてつだいクエスト」を販売させていただきました。

おてクエができるまで 【8】おてつだいクエスト・クリア

【8】おてつだいクエスト・クリア
 おてつだいクエストの勝利条件は「その家庭におてつだい文化が根付いた時」としていました。


 ゲーム途中でもその雰囲気が見えればクリア認定という目論見でしたが、我が家ではラスボスを倒す前に子供たちのお手伝いはわりと習慣づいてきていたので、ゲームはまだクリアしてないけど、おてつだいクエストもほぼクリア認定かなと思っていました。

 

 我が家では10月中旬頃、実際にラスボスを倒してゲーム自体もクリアしたのですが「新しい(第二版の)カードでもう一度最初からやりたい!」と子供たちは言いました! どうやらまだこのおてつだいクエストを続けたいのです!  親が作ったものに多少付きあわされている感覚もあるのではと思っていただけに、これには驚かされるとともに嬉しい気持ちになりました。本当に自発的にゲーム、お手伝いを行っていることに感動しました。

 

f:id:otequest:20141111120140j:plain

 第二版スタートの記念写真です、部材の調達の都合もあり初版とはコンポーネントが一部変更されています。

 

 ※ゲームクリアの具体的な判定基準なのですが、「○○やってくれないかな?」「うん、いいよ!」という受け答えがスムーズにできるようになっていたらほぼクリアであると言えると思っています。

 

 そして、つい最近の出来事です。

 ゲムマの直前準備で毎日遅くまで作業をしている私がふらふらになりながら洗濯物干しをやっていたら、風呂から上がってきた長男が「あっ、お父さんありがとう」と言ってくれたのです。

 

 つまり、長男は洗濯物干しを完全に自分の仕事だと思ってくれているのです…!

 

 本来はこっちがありがとうと言わなければならない局面でのその感謝の一言が本当に嬉しく、心底おてクエ作って良かったなと思いました。そして長男は慌てて服を着て「一緒にやる! 協力だよ」と言って手伝ってくれました。

 

 これが名実ともに「おてつだいクエストをクリアした」と言える状態なのだな、と思いました。

 

 おてつだいクエストがどのような経緯で作られたか、そして我が家でクリアまでどのような道筋をたどったかが、ゲムマでおてクエを手にして戴ける方への参考に少しでも寄与すれば幸いです。

 

(続く)

 

次回 最終回

【9】最後に

おてクエができるまで 【7】フィードバックと改善

【7】フィードバックと改善

 ありがたいことに、実際におてつだいクエストを遊んでくださるご購入者の方々からTwitterでの写真付きツイートや、メールでのご家庭の状況のご報告を頂くようになりました。

 

 これは今までの人生にない新鮮な体験で、自分の作ったゲームがどこか別の場所で遊ばれ、喜ばれている… という喜びがゲムマ秋への原動力となりました。ボ育てのさとさんを始め、レポートを度々お寄せ戴いているY様、本当にありがとうございます!

 

 さて、第二版をゲームマーケットで販売すると決めたからには色々な箇所を改善していかないといけません。


 途中で体を壊したのもあって北陸ボドゲフリマへ出品するための締め切りは正直かなりきつく、色々なところが発展途上でした。もっとわかりやすくしたい、もっと見やすくしたいという思いで改良し、第二版を作っていきました。※初版をお買い上げ戴いており、TwitterなどのSNSでプレイリポートをUPしてくださる方に第二版との差分を無償でお送りしていますので、私のTwitterちゃがゲーのメールフォームでご連絡お願い致します。

 

 改善点としては、

(1)カード全体のブラッシュアップ

 初版では突貫工事だったもので、カードのテキストや魔法石の色の視認性を向上させました。また、伝説の武具的な新規アイテムも追加しました。

(2)上達レベル制度の導入

 過去にやってきたお手伝いなどの回数や経験、つまりRPG的な積み重ね(レベル)が目で見える形に残るといいな、と思い肝入りで導入しました。

(3)剣マークをコルクボードに直接プリントするようにした

 ボードに貼られるカードはなるべく少なくしたかったので、ここも肝入りで導入しました。採算度外視です!…(笑) ※ここだけは差分としてご提供できないので、来春の大坂ゲムマにもし行けたら現地で対応させていただこうかなと思っています。

(4)説明書をマトモなものにした

 初版の説明書を仲間に見せたら「これはひどい」という声があがりまして… orz 初版をお買い上げ戴いた皆様には非常に申し訳ないことをしました… この説明書も差分セットと一緒に無償でご提供できますので、ぜひTwitterなどでおてクエのレポートをお聞かせください。

 

f:id:otequest:20141110234417j:plain

 以上の改善点を踏まえて第二版は完成し、ご家庭で更に楽しく遊んで頂けるように仕上げたつもりです。

 

f:id:otequest:20141110234503j:plain

 お蔭様で当初は10個程度しか持って行く予定がなかったおてつだいクエストは、ご予約を11個も戴いたことにより、合計で20個もゲームマーケットに持ち込むことができるようになりました!

 

 本日早朝、20個のおてクエたちは東京ビッグサイトに向けて発送が完了し、いよいよ週末だなとドキドキするとともに、ゆうパックの送料たけえ… と思い知ることができました(脱線)売れ残ったらまた高いゆうパックで送り返さないといけないなあ… とかあまり想像したくありません…笑

 

 

 去年の秋、私は初めてゲームマーケットと呼ばれる場所に行きました。

 

 目に見えるもの全てが新鮮で、目の前に置かれているゲーム全てが面白そうで、手当たり次第に買い捲っていました(笑) 今年もまだまだお客さん気分でいっぱいですが、去年とは違う経験ができることに胸が躍って仕方ありません! 楽しみで楽しみで仕方ないです!

 

 去年は机の外側、今年は机の内側なのです。

本当にドキドキしています、おてクエを頑張って作って良かった!

 

 

(続く)

 

次回

【8】おてつだいクエスト・クリア

おてクエができるまで 【6】NHKの取材と北陸ボドゲフリマでの販売

【6】NHKの取材と北陸ボドゲフリマでの販売

 f:id:otequest:20141110230009j:plain

 

 この頃、NHK福井放送局のディレクターさんがボードゲームをネタに番組を作りたいということで北陸ボドゲフリマの取材を進めていくうちに、おてつだいクエストに興味を持っていただき、我が家での取材や撮影をしていただいていました。

 

 NHKさんは熱心にも北陸ボドゲフリマ会場にカメラ撮影を入れてくださったり、その日の模様がすぐさま夕方のニュースで放送されたり、その一週間後には北陸ボドゲフリマも含む「親子で楽しむボードゲーム」という特集番組が5分もの長さで流れました。福井でボードゲームというものが盛り上がっているのだよ、ということが見える素敵な番組構成でした。

 

 さて、満を持して? 北陸ボドゲフリマで販売にこぎつけたおてつだいクエストボドゲフリマ当日までに9個の在庫を作って臨んだのですが結果から言うと3個しか売れずちょっとしたショックを受けました。しかもご購入のうち1つはちゃがゲーのとっち~さん! 身内からのご購入でした。

 

 でも、身内に販売した1つを除く2つはわざわざ関西方面からおてつだいクエストのご購入を目的に北陸ボドゲフリマに足を運んで頂いており、とても嬉しかったです。その1人が「大人の子供部屋」のまえだ部長でした。まえだ部長にはおてつだいクエスト発売告知直後の深夜にブログに取り上げて頂いたり、実際にご購入頂いたりで本当に感謝しかありませんでした。

 

 おてつだいクエストの発表が7/22、ボドゲフリマ開催日が7/27と告知期間が短かったこと、そして購買対象としている層が元々すごく狭かったのである意味しょうがないのかなとも思いつつも、我が家ではこんなにうまく事が運んでいるのに何が悪かったのだろう? と在庫を見ながら考えを張り巡らす日々を過ごしていました(笑)

 

 せめて「親子で楽しむボードゲーム」の特集番組がボドゲフリマの前に流れていたらな~ と思わずにはいられませんでした… いや、NHKを宣伝利用するのは虫が良すぎか(^^; と、在庫を見ながら考えを(ry

 

 しかし、そのNHKのボードゲーム特集番組がNHK編成局内意外に好評だったそうで(!) 福井のみならず中部圏での再放送が決まりました。その中部圏放送後に少し風向きが変わり、番組をご覧になった方からおてつだいクエストを欲しいという声を続々と戴くようになったのです。9月に入った頃には北陸ボドゲフリマ向けに作った在庫はついに完売したのでした。※なお、この特集番組は中部圏内で更に評判が良かったらしく、全国放送もされました。

 

 さて、売れ残り(笑)を見ている間は正直そんな気分になれなかったのですが、在庫が完売したことにより、もう少し改善してゲムマ秋に出品してみようかな…?という気持ちがフツフツと沸いてきました。

 

(続く)

 

次回

【7】フィードバックからの改善

おてクエができるまで 【5】おてつだいクエストの効果

【5】おてつだいクエストの成果
 初めてこの「おてつだいクエスト」を子供たちに見せた時、前の2つの試作品以上にいきなり食いついてくれました。かわぐちさんの勇者イラストとぴぽやさんのモンスターイラストには、一目で「なにこれ面白そう!」と思わせる力があったのです。

f:id:otequest:20141110223851j:plain

 ※テストプレイで用いていたものは初版として販売したものとまた少し違います。プレイヤーマーカーがうちの子達のイラストだったり、協力制でありながら持ち物は別エリアに置いてあるなど… 

 

 この食いつき反応があるうちにゲームを軌道に乗せなければなりません、「お手伝いギルド」も最初の食いつきは良かったものの、その後がうまくいかなかったのですから…

 

 ここまでの試作品2つを通じてわかっていたことの1つとして、子供達は「お手伝い」はしたくないけど「ゲーム」はしたいと思っているということを掴んでいました。このへんの取っ掛かり… 私の造語である「お手伝い障壁」をいったん超えるところまでは実現できていたので、おそらくその後の持って行き方なんだろうなという手応えを持っていました。つまりゲームの存在により、日常的にお手伝いをしてもらうには、まず最初のハードル・障壁はゲームで取っ払えている、という思いでした。

 

 「おてつだいクエスト」から導入した協力制度は功を奏し、今まで競い合っていた兄妹が

「妹ちゃん!一緒に○○やろうよ!ハートもらいたい」

 というように、子供同士で誘い合ってお手伝いをしてくれるようになりました。競い合い制度の時は親が「お兄ちゃんがやってるんだから妹ちゃんもやりなよ」という負の要素でもう片方を動かそうとなっていたのでかなり健全になりました。

 

 そして可愛いキャラクターイラストに自身を投影してか、ごっこ遊び的な要素にも子供たちは食いつきます。協力制度の一環として男の子勇者は手に入れた魔法石の力を剣に込めてモンスターを倒し、魔法使いは集めた宝石の色の変換をする。というプレイヤーごとの役割を持たせたのですが、そのゲームの世界に自分達を投影してか、我が家では「妹ちゃん!この色をあれに変えて!」とか「お兄ちゃん!宝石揃えたからモンスター倒して!」という二人の世界が繰り広げられていました。

 

 飽き対策もそこそこうまくいっており、おてつだいクエストの世界がずっと続いているという感覚を持ってもらうことができていました。早くボスまでいきたい!という長男のモチベーションは高かったです、「先に待っている新しい世界」を用意したのが良かったのかなと思います。

 

 そして何より私が子供たちにお手伝いをしてもらうことによっていかに助かっているかの感謝を何かにつけて言うようになりました。実際、洗濯物干しなどをやってもらうといつも自分がその家事に取り掛かっている時間がぽっかり空くのです。目的通りの効果が上がって、自分としても子供たちに自然と感謝の気持ちが抱けるようになりました。

 

 また、お手伝いの出来に完璧を求めないようにもしました。新しく始めたことのこの結果は現時点での子供たちの精一杯であり、別に手抜きをしているわけではないと思うことにしたのです。ここはもっとこうしてくれると嬉しいな、とか修正点の希望は出しましたが、出来栄えについては問わないようにしたことも結構大きなことだったのではないかと今は思います。

 

 もうひとつ、子供達が代わりにやってくれるようになったお手伝いを私自身が手伝うという錯覚も覚えるようになりました。たまには夜が遅くなって洗濯物を干す時間まで起きていられないこととかもありましたが、その時は「お父さんが今日はやるからいいよ!」と言うと、子供達が「ありがとうお父さん!」と言ってくるのです。このへんの成長をリアルタイムで見られることができたこともとても幸せでした。

 

 前の2つの試作品から目に見えて子供達の反応が良くなったのは、システム改良の面もあったはずですが、一番大きかったのは親の気持ちの変化だったのかもしれません。(手前味噌ですが笑)

 

(続く)

 

【6】NHKの取材と北陸ボドゲフリマでの販売

おてクエができるまで 【4】おてつだいクエストの誕生

【4】おてつだいクエストの誕生

 そもそも「お手伝いギルド」は私のFBでの日記から始まっており、当初は我が家でやっていることのご紹介に過ぎなかったのですが、見てくださった友達、特にちゃがゲーメンバー周辺にはわりと好評でした。

 

 「これはいいアイデアなのかな?それならいつかゲムマで販売できるといいなぁ」と、ぼんやり思いましたが、ちゃがゲーのデザイナーさん達が色々苦労しながら作品を作っていたのも十分存じ上げていたので、なんとしても実現しよう! とはこの時はまだ思っていませんでした。

 

 そんな折、突然北陸ボドゲフリマなるイベントが起ち上がり、私もスタッフとして参加することになりました。フリマでは中古品販売ブースもたくさんあって我々ちゃがゲーのブースまであるという… あれ?ということは頑張ればここで販売できるかも? いや、迷ってないでやってみよう! と一念発起しまして、突然7月末という締切を自らに課すことになります。でも期日まで実質あと一ヶ月くらいしかありません。テストプレイに時間がかかる仕様上、残された時間はほとんどないのです!

 

 ではどうしようか… テーマがファンタジーということで今度は「お手伝いギルド」や「お手伝いの煌き」には必要なかったグラフィック的な仕事が必要で、その手のスキルを何も持たない私にはいきなり取っ掛かりからハードルが上がってしまいました。でもなんとなく自分の頭の中にイメージはあって、お手伝いをする勇者達は是非ちゃがゲーのかわぐちさんに描いて欲しい!と、お願いしたところ、なんと快諾して頂き、しかも注文通りかつイメージ通りの勇者達のイラストをたくさんご提供いただきました、これは私にとって本当に僥倖としかいえないありがたいことでした。

 

 次にこの勇者達が戦うモンスターの選定に入ります。ちゃがゲーの人気作である、だんごー!ダンジョン(初代)ではフリー素材であんなに雰囲気のあるモンスター画像を調達していたことを思い出し、色々探しあたった結果、商用利用OKでポップなモンスターイラストと巡り合い、使わせて頂くことができました。(ぴぽや様、ありがとうございました)

 

 さてここからは「お手伝いが世界を救うゲーム」の成立を考えるために、「お手伝いギルド」などから得た失敗などの経験を生かしたデザインが始まります。

 

(1)飽き対策をしよう
 目の前のモンスターを倒すという短期的な目標と、敵を10体倒してひとつのレベルをクリアするという長期的な目標を設定して、子供たちにゲームに常に参加しているという意識を持ってもらい、飽きにくくしたいと思いました。具体的には初級・中級・上級とモンスターの強さ別に10体ずつ用意し、先に進むごとに少しずつモンスターが強くなっていくというバランスにしました。

 

(2)競うのはやめて協力制にしよう
 RPGといえばパーティーを組んで協力しながら敵を倒すイメージがあるので、競争方式はやめました。むしろRPGでは協力しないと倒せない敵も存在します、ならばこちらも協力することで敵を倒しやすくなったり、メリットを産むシステムにしました。

 

(3)マイナス点システムはやめよう
 RPGといえば敵の攻撃でHPMPやアイテムが失われたり、ゲームによっては主人公たちのレベルまで下がったりしますが、やる気を損なうような制度の導入はやめました。でも、これがまったくないのもRPG的には寂しいので、最後の上級レベルでのみ一部導入することにしました。

 

(4)やる気を高めてもらうにはどうするか?
 前述の通り「親の意向でポイント○倍を餌にする」という策はあまり良い結果が得られなかったので、今度はモンスターにそのような「今倒すと何か貰えて得だよ」のような特殊能力を持たせることにしました。つまり親の意向でなくてゲームのルールにすり替えます(笑) ゲームバランスのこともあるので、序盤から弱いモンスターをガンガン倒されても困ります。なので中級以降からの採用にしました。

 

(5)「親の感謝」の導入
 ともすると、親は「子供もお手伝いをして当たり前」と思ってしまう側面があると思います。同じ家に暮らしていて、家事は分担するものであるという考えには一理あります。ただ、子供には子供の事情があるもので、学校の宿題は当然として、友達と遊びに行きたかったり、ゲームをしたかったりと大人同様に何かと時間が足りないところがあります。そこに正論を唱えて家事の押し付けをしていてもうまくいかないなと… というところで、ゲームマスターである私の「手伝ってもらってありがとう」という気持ちの表明をしよう、という心積もりを持つことにしました。

 

※「お手伝いギルド」「お手伝いの煌き」ではやってもやらなくてもいいよ、自由だよ。という側面があったわりに「なぜやってくれないの!」とイラついてしまうことがあったので、そのへんの反省を込めています。

 

 劇的なリニューアルを遂げて(当社比)生まれ変わったこのゲームは「おてつだいクエスト」と銘打たれ、早速子供たちのテストプレイに入りました。その反応を見ながらたくさん試行錯誤し、日夜カードを作ったりモンスターのゲームバランスを取ったりしていました。その末に無理をしすぎて私は体を壊し、北陸ボドゲフリマ当日の参加も危なかったというのはまた別のお話です(笑)


(続く)


次回
【5】おてつだいクエストの成果

おてクエができるまで 【3】宝石の煌きをヒントに

【3】宝石の煌きをヒントに

 お手伝いギルドが中途半端な感じだったこの頃、我が家では「宝石の煌き」が子供達にも定番のボードゲームとなっていました。あの重量感のある宝石チップを宝石カードに変換して、ドンドン拡大再生産を進めてしていく内容が我が家の子供たちに大ヒットしました。

f:id:otequest:20141109234617j:plain

  そもそもだいたいの子供は基本的に自由に使えるお金をたくさん持っていないので現実世界でのお買い物体験が日常的にできるわけではありません。我が家でも然りで、ゲーム上で擬似的にでもお買い物ができるゲームが好まれる傾向がありました。長男はドミニオンなども大好きで、もしかしたらこのへんが現状打破のヒントになるのではないかなと考えました。

 

 そして次に考案されたのがお手伝い1回で白いマグネット1個と交換して、次に白を5個で色付きのマグネットと交換していきながら最終的に手に入れたマグネットの色でリアル報酬を出すという試作2号案「お手伝いの煌き」でした。※このへんの要素が後に「おてつだいクエスト」に引き継がれていきます。

 

f:id:otequest:20141109235030j:plain

 色々苦心して考えたご褒美一覧がずらずらと並んでおります…(笑)

 

 この頃、長男が3DS漬けになっていてよく「一週間ゲーム禁止!」となっておりまして、長男はそれの解除のために一生懸命頑張る、という図式は一応できていました。こういうのは不健全だな…と思いつつ(^^;

 

 お手伝いギルドを廃して「お手伝いの煌き」を子供達に試してみると、ご褒美はともかく思いのほか前作と同じくらい食いつきが良かったのです。まず前項1の懸念材料である「飽きる」が軽減されていました。短期的に白から青に色を変換、といった具合の色の変換により短期的な目標ができたからだと思います。

 

 ただし、まだこの時は前項で挙げたその他の懸念材料の抜本的な解消には至ってはいなかったので「お手伝いギルドよりはマシかな」程度のものでした

 

 そして「宝石の煌き」は確かに面白いのですが、テーマ性が薄いという話もこの頃良く聞いていました。ではこれにテーマを与えたらどうなるのだろう? という考えに至ります。子供たちが好きなテーマ… ゲーム… RPG

 

「おてつだいをしてモンスターを倒すようなゲームにしたらどうだろう?」

 

(続く)

 

次回

【4】おてつだいクエストの誕生

 

おてクエができるまで 【2】逃走中をモチーフにしたお手伝いゲーム

【2】「逃走中」をモチーフにお手伝いゲーム


 さて、子供たちにお手伝いをして欲しいと考えるに至ってまず考えたのは、楽しくないはずのお手伝いをどうやったら楽しくやってもらえるか?ということでした。

 

 まず思いついたのは、その子供たちが大好きな「逃走中」というテレビ番組で逃走者達が行うミッションをモチーフにしてお手伝いをしてもらおう、ということでした。子供たちが次の放送を一日千秋の思いで待つくらい楽しみにしている番組の世界に入り込んだような遊び感覚を取り入れてみたらどうなるだろう? と思って作ったのがこれです。

f:id:otequest:20141109231459j:plain

 形式はファンタジー世界によく出てくる「冒険者ギルド」みたいに、いつでもボードに仕事が貼ってあり、解決してきたら報酬を貰える、という意味で「お手伝いギルド」と名づけていました。

 

「お手伝いをやってもやらなくてもいいよ、でもやってくれたら嬉しいな」

と発想です。

 

 まず、ダイソーでコルクボードを調達してお手伝いミッションとしてやって欲しいお手伝いを紙に貼って掲示しました。食いつきは上々で、始めた瞬間お手伝いをしまくってくれました(笑)これはいけるかも? と僕は一気に色めき立ちました。※が、これは「目新しいもの」に惹かれただけで、お手伝いをしたかったわけではなかったということに後に気づきます。※これを私はお手伝いよこせ現象と呼びます(笑)

 

 当初は「お手伝い1回あたり1点、重労働は更に加点、緊急ミッションや特別ミッションがある場合はボーナスポイントを加算、一ヶ月で区切って最終的に貯めた点数でご褒美」という具合にポイント制にしていました。※この時期の得点トラックは手持ちのボドゲであるProductArts様のBirthより勝手に拝借しました…すみません…m(_ _)m

 

 それを長男と長女でそれぞれ別ポイントにして点数を競わせる感じにしていったのですが、しばらく進めると問題なところがいろいろ出てきました。

 

1.飽きる

 当初は一ヶ月ごとに貯まった点数に応じて月末にご褒美、という制度でした。最初の一週間ほどは嬉しそうにやっていたのですが、精算が一ヶ月スパンだと熱しやすく冷めやすい子供たちは次第にお手伝いからの意識が飛んでいくことがわかりました。目標達成までの時間的距離が長すぎたのです。

 

2.競わせることの弊害
 当初の一ヶ月はお互い負けん気むき出しで「私のお手伝いを取られた!ずるい!私がやりたかったのに!」的な文句が出るくらい仕事を奪い合っていましたが、次第に両者の差がついていって点数が負けている方がどんどんやる気を失くしていきました。競い合いも良いことだと思いますが、家の中でまで点数できょうだいに差をつけることはあまり良くないのではと感じました。

 

3.罰点の弊害
 当初は「お母さんが特にお願いしたいお手伝いミッションに参加しないと罰点(マイナス点)」という制度がありました(モチーフにした逃走中でもミッションに参加した逃走者にだけメリットがあるようなイメージです) これも子供からすると「せっかく頑張ってお手伝いをして貯めたポイントを理不尽なルールで減らされる」という捉え方になってしまい、かえってやる気を失わせるように見えました。そもそも、お手伝いを楽しくしてもらうためのこのお手伝いゲームなのに「楽しくなくなるようなルールなら要らないのでは」と感じました。

 

4.ポイント○倍には振り向かない
 スーパーマーケットではありませんが、たとえば私の帰りが遅い日などにお手伝いを促進するため「全てのお手伝いポイントが2倍の日!」という施策を打ったことがあります。しかしこれはまったく効果がありませんでした…(笑) この時期のルールでは子供たちにとってゴールが一ヵ月後と遠いので倍率の実感が薄いことと、おそらく「親がポイント○倍をだしに、お手伝いを押し付けている」ことが見透かされていたためだと思います。

 

 この「お手伝いゲーム」は今年4月頃から5月中頃くらいまで続きましたが子供達のモチベーションは尻すぼみに低くなっていき、開始早々に失敗の烙印を押されてしまう様相を呈していました。

 

いったいどうしたら、うまくいくんだろう…?

 

 最初の手応えとは裏腹に、あっという間に「失敗」の文字が見えてきてしまったこの「お手伝いギルド」… やっぱりゲームと現実のリンクは難しいのだろうか…? 

 

 

(続く)

 

次回

【3】宝石の煌きをヒントに