おてつだいクエスト ブログ

ちゃがちゃがゲームズのタクミです。ゲームマーケット秋2014、ゲームマーケット大阪2015にて「おてつだいクエスト」を販売させていただきました。

おてクエができるまで 【5】おてつだいクエストの効果

【5】おてつだいクエストの成果
 初めてこの「おてつだいクエスト」を子供たちに見せた時、前の2つの試作品以上にいきなり食いついてくれました。かわぐちさんの勇者イラストとぴぽやさんのモンスターイラストには、一目で「なにこれ面白そう!」と思わせる力があったのです。

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 ※テストプレイで用いていたものは初版として販売したものとまた少し違います。プレイヤーマーカーがうちの子達のイラストだったり、協力制でありながら持ち物は別エリアに置いてあるなど… 

 

 この食いつき反応があるうちにゲームを軌道に乗せなければなりません、「お手伝いギルド」も最初の食いつきは良かったものの、その後がうまくいかなかったのですから…

 

 ここまでの試作品2つを通じてわかっていたことの1つとして、子供達は「お手伝い」はしたくないけど「ゲーム」はしたいと思っているということを掴んでいました。このへんの取っ掛かり… 私の造語である「お手伝い障壁」をいったん超えるところまでは実現できていたので、おそらくその後の持って行き方なんだろうなという手応えを持っていました。つまりゲームの存在により、日常的にお手伝いをしてもらうには、まず最初のハードル・障壁はゲームで取っ払えている、という思いでした。

 

 「おてつだいクエスト」から導入した協力制度は功を奏し、今まで競い合っていた兄妹が

「妹ちゃん!一緒に○○やろうよ!ハートもらいたい」

 というように、子供同士で誘い合ってお手伝いをしてくれるようになりました。競い合い制度の時は親が「お兄ちゃんがやってるんだから妹ちゃんもやりなよ」という負の要素でもう片方を動かそうとなっていたのでかなり健全になりました。

 

 そして可愛いキャラクターイラストに自身を投影してか、ごっこ遊び的な要素にも子供たちは食いつきます。協力制度の一環として男の子勇者は手に入れた魔法石の力を剣に込めてモンスターを倒し、魔法使いは集めた宝石の色の変換をする。というプレイヤーごとの役割を持たせたのですが、そのゲームの世界に自分達を投影してか、我が家では「妹ちゃん!この色をあれに変えて!」とか「お兄ちゃん!宝石揃えたからモンスター倒して!」という二人の世界が繰り広げられていました。

 

 飽き対策もそこそこうまくいっており、おてつだいクエストの世界がずっと続いているという感覚を持ってもらうことができていました。早くボスまでいきたい!という長男のモチベーションは高かったです、「先に待っている新しい世界」を用意したのが良かったのかなと思います。

 

 そして何より私が子供たちにお手伝いをしてもらうことによっていかに助かっているかの感謝を何かにつけて言うようになりました。実際、洗濯物干しなどをやってもらうといつも自分がその家事に取り掛かっている時間がぽっかり空くのです。目的通りの効果が上がって、自分としても子供たちに自然と感謝の気持ちが抱けるようになりました。

 

 また、お手伝いの出来に完璧を求めないようにもしました。新しく始めたことのこの結果は現時点での子供たちの精一杯であり、別に手抜きをしているわけではないと思うことにしたのです。ここはもっとこうしてくれると嬉しいな、とか修正点の希望は出しましたが、出来栄えについては問わないようにしたことも結構大きなことだったのではないかと今は思います。

 

 もうひとつ、子供達が代わりにやってくれるようになったお手伝いを私自身が手伝うという錯覚も覚えるようになりました。たまには夜が遅くなって洗濯物を干す時間まで起きていられないこととかもありましたが、その時は「お父さんが今日はやるからいいよ!」と言うと、子供達が「ありがとうお父さん!」と言ってくるのです。このへんの成長をリアルタイムで見られることができたこともとても幸せでした。

 

 前の2つの試作品から目に見えて子供達の反応が良くなったのは、システム改良の面もあったはずですが、一番大きかったのは親の気持ちの変化だったのかもしれません。(手前味噌ですが笑)

 

(続く)

 

【6】NHKの取材と北陸ボドゲフリマでの販売