おてつだいクエスト ブログ

ちゃがちゃがゲームズのタクミです。ゲームマーケット秋2014、ゲームマーケット大阪2015にて「おてつだいクエスト」を販売させていただきました。

おてクエができるまで 【4】おてつだいクエストの誕生

【4】おてつだいクエストの誕生

 そもそも「お手伝いギルド」は私のFBでの日記から始まっており、当初は我が家でやっていることのご紹介に過ぎなかったのですが、見てくださった友達、特にちゃがゲーメンバー周辺にはわりと好評でした。

 

 「これはいいアイデアなのかな?それならいつかゲムマで販売できるといいなぁ」と、ぼんやり思いましたが、ちゃがゲーのデザイナーさん達が色々苦労しながら作品を作っていたのも十分存じ上げていたので、なんとしても実現しよう! とはこの時はまだ思っていませんでした。

 

 そんな折、突然北陸ボドゲフリマなるイベントが起ち上がり、私もスタッフとして参加することになりました。フリマでは中古品販売ブースもたくさんあって我々ちゃがゲーのブースまであるという… あれ?ということは頑張ればここで販売できるかも? いや、迷ってないでやってみよう! と一念発起しまして、突然7月末という締切を自らに課すことになります。でも期日まで実質あと一ヶ月くらいしかありません。テストプレイに時間がかかる仕様上、残された時間はほとんどないのです!

 

 ではどうしようか… テーマがファンタジーということで今度は「お手伝いギルド」や「お手伝いの煌き」には必要なかったグラフィック的な仕事が必要で、その手のスキルを何も持たない私にはいきなり取っ掛かりからハードルが上がってしまいました。でもなんとなく自分の頭の中にイメージはあって、お手伝いをする勇者達は是非ちゃがゲーのかわぐちさんに描いて欲しい!と、お願いしたところ、なんと快諾して頂き、しかも注文通りかつイメージ通りの勇者達のイラストをたくさんご提供いただきました、これは私にとって本当に僥倖としかいえないありがたいことでした。

 

 次にこの勇者達が戦うモンスターの選定に入ります。ちゃがゲーの人気作である、だんごー!ダンジョン(初代)ではフリー素材であんなに雰囲気のあるモンスター画像を調達していたことを思い出し、色々探しあたった結果、商用利用OKでポップなモンスターイラストと巡り合い、使わせて頂くことができました。(ぴぽや様、ありがとうございました)

 

 さてここからは「お手伝いが世界を救うゲーム」の成立を考えるために、「お手伝いギルド」などから得た失敗などの経験を生かしたデザインが始まります。

 

(1)飽き対策をしよう
 目の前のモンスターを倒すという短期的な目標と、敵を10体倒してひとつのレベルをクリアするという長期的な目標を設定して、子供たちにゲームに常に参加しているという意識を持ってもらい、飽きにくくしたいと思いました。具体的には初級・中級・上級とモンスターの強さ別に10体ずつ用意し、先に進むごとに少しずつモンスターが強くなっていくというバランスにしました。

 

(2)競うのはやめて協力制にしよう
 RPGといえばパーティーを組んで協力しながら敵を倒すイメージがあるので、競争方式はやめました。むしろRPGでは協力しないと倒せない敵も存在します、ならばこちらも協力することで敵を倒しやすくなったり、メリットを産むシステムにしました。

 

(3)マイナス点システムはやめよう
 RPGといえば敵の攻撃でHPMPやアイテムが失われたり、ゲームによっては主人公たちのレベルまで下がったりしますが、やる気を損なうような制度の導入はやめました。でも、これがまったくないのもRPG的には寂しいので、最後の上級レベルでのみ一部導入することにしました。

 

(4)やる気を高めてもらうにはどうするか?
 前述の通り「親の意向でポイント○倍を餌にする」という策はあまり良い結果が得られなかったので、今度はモンスターにそのような「今倒すと何か貰えて得だよ」のような特殊能力を持たせることにしました。つまり親の意向でなくてゲームのルールにすり替えます(笑) ゲームバランスのこともあるので、序盤から弱いモンスターをガンガン倒されても困ります。なので中級以降からの採用にしました。

 

(5)「親の感謝」の導入
 ともすると、親は「子供もお手伝いをして当たり前」と思ってしまう側面があると思います。同じ家に暮らしていて、家事は分担するものであるという考えには一理あります。ただ、子供には子供の事情があるもので、学校の宿題は当然として、友達と遊びに行きたかったり、ゲームをしたかったりと大人同様に何かと時間が足りないところがあります。そこに正論を唱えて家事の押し付けをしていてもうまくいかないなと… というところで、ゲームマスターである私の「手伝ってもらってありがとう」という気持ちの表明をしよう、という心積もりを持つことにしました。

 

※「お手伝いギルド」「お手伝いの煌き」ではやってもやらなくてもいいよ、自由だよ。という側面があったわりに「なぜやってくれないの!」とイラついてしまうことがあったので、そのへんの反省を込めています。

 

 劇的なリニューアルを遂げて(当社比)生まれ変わったこのゲームは「おてつだいクエスト」と銘打たれ、早速子供たちのテストプレイに入りました。その反応を見ながらたくさん試行錯誤し、日夜カードを作ったりモンスターのゲームバランスを取ったりしていました。その末に無理をしすぎて私は体を壊し、北陸ボドゲフリマ当日の参加も危なかったというのはまた別のお話です(笑)


(続く)


次回
【5】おてつだいクエストの成果