おてつだいクエスト ブログ

ちゃがちゃがゲームズのタクミです。ゲームマーケット秋2014、ゲームマーケット大阪2015にて「おてつだいクエスト」を販売させていただきました。

おてクエができるまで 【2】逃走中をモチーフにしたお手伝いゲーム

【2】「逃走中」をモチーフにお手伝いゲーム


 さて、子供たちにお手伝いをして欲しいと考えるに至ってまず考えたのは、楽しくないはずのお手伝いをどうやったら楽しくやってもらえるか?ということでした。

 

 まず思いついたのは、その子供たちが大好きな「逃走中」というテレビ番組で逃走者達が行うミッションをモチーフにしてお手伝いをしてもらおう、ということでした。子供たちが次の放送を一日千秋の思いで待つくらい楽しみにしている番組の世界に入り込んだような遊び感覚を取り入れてみたらどうなるだろう? と思って作ったのがこれです。

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 形式はファンタジー世界によく出てくる「冒険者ギルド」みたいに、いつでもボードに仕事が貼ってあり、解決してきたら報酬を貰える、という意味で「お手伝いギルド」と名づけていました。

 

「お手伝いをやってもやらなくてもいいよ、でもやってくれたら嬉しいな」

と発想です。

 

 まず、ダイソーでコルクボードを調達してお手伝いミッションとしてやって欲しいお手伝いを紙に貼って掲示しました。食いつきは上々で、始めた瞬間お手伝いをしまくってくれました(笑)これはいけるかも? と僕は一気に色めき立ちました。※が、これは「目新しいもの」に惹かれただけで、お手伝いをしたかったわけではなかったということに後に気づきます。※これを私はお手伝いよこせ現象と呼びます(笑)

 

 当初は「お手伝い1回あたり1点、重労働は更に加点、緊急ミッションや特別ミッションがある場合はボーナスポイントを加算、一ヶ月で区切って最終的に貯めた点数でご褒美」という具合にポイント制にしていました。※この時期の得点トラックは手持ちのボドゲであるProductArts様のBirthより勝手に拝借しました…すみません…m(_ _)m

 

 それを長男と長女でそれぞれ別ポイントにして点数を競わせる感じにしていったのですが、しばらく進めると問題なところがいろいろ出てきました。

 

1.飽きる

 当初は一ヶ月ごとに貯まった点数に応じて月末にご褒美、という制度でした。最初の一週間ほどは嬉しそうにやっていたのですが、精算が一ヶ月スパンだと熱しやすく冷めやすい子供たちは次第にお手伝いからの意識が飛んでいくことがわかりました。目標達成までの時間的距離が長すぎたのです。

 

2.競わせることの弊害
 当初の一ヶ月はお互い負けん気むき出しで「私のお手伝いを取られた!ずるい!私がやりたかったのに!」的な文句が出るくらい仕事を奪い合っていましたが、次第に両者の差がついていって点数が負けている方がどんどんやる気を失くしていきました。競い合いも良いことだと思いますが、家の中でまで点数できょうだいに差をつけることはあまり良くないのではと感じました。

 

3.罰点の弊害
 当初は「お母さんが特にお願いしたいお手伝いミッションに参加しないと罰点(マイナス点)」という制度がありました(モチーフにした逃走中でもミッションに参加した逃走者にだけメリットがあるようなイメージです) これも子供からすると「せっかく頑張ってお手伝いをして貯めたポイントを理不尽なルールで減らされる」という捉え方になってしまい、かえってやる気を失わせるように見えました。そもそも、お手伝いを楽しくしてもらうためのこのお手伝いゲームなのに「楽しくなくなるようなルールなら要らないのでは」と感じました。

 

4.ポイント○倍には振り向かない
 スーパーマーケットではありませんが、たとえば私の帰りが遅い日などにお手伝いを促進するため「全てのお手伝いポイントが2倍の日!」という施策を打ったことがあります。しかしこれはまったく効果がありませんでした…(笑) この時期のルールでは子供たちにとってゴールが一ヵ月後と遠いので倍率の実感が薄いことと、おそらく「親がポイント○倍をだしに、お手伝いを押し付けている」ことが見透かされていたためだと思います。

 

 この「お手伝いゲーム」は今年4月頃から5月中頃くらいまで続きましたが子供達のモチベーションは尻すぼみに低くなっていき、開始早々に失敗の烙印を押されてしまう様相を呈していました。

 

いったいどうしたら、うまくいくんだろう…?

 

 最初の手応えとは裏腹に、あっという間に「失敗」の文字が見えてきてしまったこの「お手伝いギルド」… やっぱりゲームと現実のリンクは難しいのだろうか…? 

 

 

(続く)

 

次回

【3】宝石の煌きをヒントに